糖アルコールは、糖を元にできるアルコールです。お菓子などの原材料名に「キシリトール」や「ソルビトール」という名前を見たことありませんか??これらは「糖アルコール」というカテゴリに属する「糖」の仲間です。


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糖アルコールとは??

糖アルコール

糖アルコールは、アルコールといってもお酒(エタノール)の様なものではありません。糖を発酵させるとエタノールを作る事ができますが、糖アルコールは糖を還元することで入手できます。

糖は「アルデヒド」や「ケトン」といった構造を持っています。これらの構造を還元したものが糖アルコールになります。お酒のエタノールは、体内で酸化されアセトアルデヒドになります。酸化の反対は還元です。アルデヒドをアルコールにすることは還元ということになります。


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糖アルコールにはどんあ種類があるの??働きは??

代表的な糖アルコール

  • キシリトール(甘味料・虫歯予防)
  • エリスリトール(ゼロカロリーの甘味料)
  • マルチトール(甘味料)
  • ソルビトール、別名ソルビット(甘味料・保存料)
  • 還元性水飴(甘味料・艶出し)
    などがあります。

キシリトール」や「ソルビット」はよくお菓子などにも入っているので見たことがあるのではないでしょうか。「還元性水飴」は、水飴(=糖)を還元したものですので糖アルコールということになります。他と違う点は、キシリトールやマルチトールは「純物質」なのに対し、還元性水飴は「混合物」で、「糖」と「糖アルコール」が混ざったものになります。ですので、混合割合によっていろいろな種類があります。

糖アルコールの働き

糖アルコールの主な用途は「甘味料」です。糖アルコールは、砂糖(スクロース)と比較し、吸収されない分カロリーが低いです。砂糖は「1gあたり4kcal」なのに対し、キシロースは「1gあたり2.4kcal」と半分程度です。他の糖アルコールも1gあたり2kcal程度で、砂糖の約半分のカロリーと考えると覚えやすいです。ただ、エリスリトールは、他の糖アルコールと異なりカロリーはほぼ「ゼロ」と言われています

また、塩漬け・砂糖漬けと同じように、微生物の増殖を抑える「保存料」としても使われます。他にも、水分を保持することから「保湿剤」や、後に説明する副作用を利用し「下剤」としても用いられます。


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危険?太る?糖アルコールの副作用

糖アルコールには特に危険な副作用はなく、代表的な副作用は消化器症状です。

糖アルコールの多くは吸収されません。そのため、腸内細菌で発酵をうけます。発酵をうけると二酸化炭素などのガスが発生し、腹部膨満感などが生じます。

また、吸収されないことによって腸管内の浸透圧が上昇するため下痢などの症状も起こります。塩をまぶすと水分が抜けますね。漬物など。これは、塩の浸透圧により野菜から水分を引き出されるため起こります。この浸透圧は、塩特有の性質ではなく全ての物質が持っています。当然、糖や糖アルコールも持っています。腸管に糖アルコールが多いと、浸透圧により水分が腸管外から引き抜かれたりすることで腸管内の水分が増します。結果として、下痢のような便が緩くなる消化器症状が起きます。これを利用して、便秘解消の薬として用いられてもいます。

これらの症状は個人差があり、大丈夫な人もいれば、少量で起こる人もいます。いずれも、そこまで危険な症状ではありません。

また、糖アルコールにはエリスリトールを除きカロリーがあります。カロリーに気をつけていれば、太ることはないと考えられますが、油断して食べすぎると当然太ります。


糖アルコールの見分け方

化学物質は名前の語尾に特徴があり、その物質の性質を表しています。例えば、語尾が「ォース」で終わるものは「」である事が多いです。一方、糖アルコールは語尾が「〜ィトール」で終わる点が特徴で、糖類なのか糖アルコール類なのか見分ける事ができます。

さらに糖アルコールは、基となった「糖」の名前も引き継ぎます。例として、「キシロース」という糖からできる糖アルコールは「キシリトール」、「マルトース」からできれば「マルチトール」となります。


糖アルコールってどうやって作られる??

糖アルコールの主な製造法は、基となる糖に水素を添加し化学的に還元する方法が用いられます。水素添加といえば、マーガリン(ファットスプレッド)の製造を思い浮かべる方もいるかもしれません。マーガリンは、「不飽和脂肪酸」に水素添加を行い還元し製造します。このとき、不完全な水素添加をしてしまうといわゆる「トランス脂肪酸」が生成してしまいます。糖の場合、「トランス糖」などといった物質は生成(存在)しないため、このような心配はありません

化学の力を使うと大量に作ることができますが、収率(得られる割合)が悪かったり、触媒として環境に悪い金属を使用するといったデメリットもあります。また、「化学的に」というワードを毛嫌いする方もいます。そのため今後は、環境に優しく収率も期待できる、微生物に作らせる発酵法が主流になっていくと考えています。エリスリトールなど一部の糖アルコールは発酵法で作られています。


【参考】

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